ドアの血は僕が自分で拭き取ったんだが
「……警察はこういうとこまでは掃除をしてくれないのか?いやそもそも事故の片付けって警察の仕事だったかな?まぁどうでもいいか。」
僕はそう呟きながら扉を開ける。
『まぁいいか』なんて、隣人が亡くなった割には少し冷めてるんじゃないの?とか思われるかもしれないが、
それは仕方ないことなんだ。
なぜなら
「ただいまー…」
「おかえり!んー?なんか暗い顔してるねー。幸せが逃げちゃうよ!もっと明るく生きよー!って幽霊の私が言うことじゃないか!あははは!」
亡くなったはずの隣人は、何故か僕の部屋に幽霊として住み着いているからである。
……しかも無駄に明るい。