俺とニカはマントのフードを被った。



俺はマントの内側の両腰に剣を備え、いつ何が来ても戦える状態を作った。



そしてニカをすぐそばに置き、今度こそ絶対に離れないように指示をした。




「兎、お前は心配性なのか?」



ニカが陽気な声で言った。



どこか鷹目に似ているような気がする。




「っ…どこのどいつが心配させていると思ってる…」




「どこのどいつもこいつも、兎が心配しなければいいことではないか。
もう少し楽にすればいいのだ。
無駄に心配することなんてない」




「……ふっ」



思わず吹き出してしまった。




「そんなことを言うのはガキみたいに体を震わせなくなってからにしろ、クソガキ」



ニカの震える手は恐怖で溢れていた。



その手を感じるたびに、俺はニカがまだ6歳であることを思わせられるーーー。




「…震えてなどいない。
クソガキでもない」




ニカは嫌味ったらしく俺に言うと、それからしばらく口を開かなかった。