相棒の世界






ーーーガタン、ガタン…




俺を強く抱きしめたまま、母さんはずっと泣いていた。




「………」




母さんの苦労は痛いぐらいに分かっていた。




俺を守るために、どんなに必死で働き、そして頭を下げてきたかーーー。





「……っ」




分かってた。



十分すぎるくらいに分かっていたんだ。





けれどーーー




「…うぅ……」




俺は母さんに感謝などしていなかった。



逆に、ものすごく恨んでいたんだ。





「……うぅ…グスッ……」












どうして俺をーーー






産んだんだって。









ーーー俺は生きながら死んでいるようなものだった。




まぶたを開いても閉じても変わらない暗闇の世界。



聞こえてくる無残なうめき声や、罵声、そしてーーー





「うう…ううぅ…!」






母さんのすすり泣く声。







ーーーもう限界だった。




なんのために生きている?



幼い俺の頭を、ただその疑問だけが行き来していた。





ーーーなんのために生きている…?





ーーー生きるってなんなんだ。