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ーーーガタン、ガタン…
熱い空気が呼吸を乱れさせる。
奴隷たちが敷き詰められる運搬車の片隅ーーー
俺は膝に顔をうずめていた。
ーーーギュッ
「……っ」
そんな俺の小さな体を、ふと母さんが強く抱きしめた。
「ごめんなさい、アルバート。
許して……」
「………」
母さんは俺を抱きしめながら、ただただ謝っていた。
肩に顔をうずめ、大粒の涙で濡らしてゆくーーー。
ーーーギュウ…
俺はそんな母さんを、優しく抱きしめ返すことしかできなった。
『許してあげる』
その言葉がどうしても出てこなかったからーーー。