ーーー俺たちが今出発したのは、町の南東側に属する森。




俺たちはここからなんとかして町の北側へと移動し、そこからさらに2つ町を越えたところにある森へ行かなければならない。




考えただけでも鳥肌が立つ道のりだ。




長旅になるに違いない。





「ジョンさん、本当にこっちに進んでいいんですかね?」



「こっちとはどっちだ」



「ああ、えっと東側っす!」



「構わない、そのまま東へ向かえ」





町中を通って行くことはどう考えても危険と判断したため、俺たちは森を抜けて東隣の町を通って行くことにした。




多少遠回りではあるが、これも『仮面の男』たちに捕まらないためだ。










「兎は東の町には行ったことがあるのか?」




ふとニカが口を開いた。




「…ああ、一度だけな。
お前くらいのガキだったときだ」



「そうか、お前にもガキだったときがあったんだな」



「当たり前だ。
偉そうなことを言うんじゃない」



「ふっ元ガキが何を言う…」