「腹が減ったぞ、兎」



ふと、後ろを歩くニカが言った。




「…ったく、ガイドンが買ってきた食料でも口にしとけ。
あまり食いすぎるなよ。後日の分が無くなる」




「ああ、わかった」





ーーーガサガサという音と共に、リンゴにシャリッとかじる音が聞こえてくる。





「ーーーこれはガイドンが選んだリンゴか?」



「はい、そうっす!」



「ふっ、下手だな。
全然甘くないではないか」





……っ…クソガキは本当に口が悪い。



そして、変に自分に自信を持っている。






「あっ、そーでしたか!!
すみませんニカさん!!
一番上にあったリンゴを適当に選んできてしまったんすよ!」





ガイドンは本当に優しいやつだ…。


俺だったら絶対にキレているはずだーーー





「そういう適当な性格だから、身だしなみも適当なのだ。
せめて臭いくらいはどうにかしてくれガイドン」



「えっ!?」



ガイドンはクンクンと自分の臭いを嗅いだ。



「あっ!本当に臭いっすね!!
気をつけます!!ニカさん!!!」