「ーーーどうしたんだい?鷹目。そーんなに傷だらけになってぇ」
次の日の朝、俺が帰るとハカゼは顔をニヤニヤとさせながら訊いてきた。
「ひょっひょへ(ちょっとね)」
顔の半分は殴られたせいで大きく腫れ上がり、左足は棚が倒れたせいで完全に折れていた。
右肩はおそらく脱臼している。
「今から薬を持ってきてやるから、そこに座って待ってな。それとーーー」
ハカゼは俺の手元を指差した。
「その世界で一つしかないステッキは、そこのテーブルの脇に立てかけときな」
「わふぁっふぁ(わかった)」
俺は言われた通り近くのソファに座ると、その目の前にあるテーブルの脇にステッキを立てかけた。
「………」
ステッキの持ち手部分の犬をじっくりと見つめる。
「ふほいふ(くろいぬ)…」
ーーートン
しばらくしてハカゼは2、3種類の薬を持ってくると、それをテーブルの上に置いた。
フタを開け、その中のべっとりとした塗り薬を指にとる。
「ほうら、まずは左腕から出してみな。こっちは手首が折れているよ」
俺は言われた通りに左手を出した。
ハカゼはその塗り薬をゆっくりと塗っていく。


