「ハァ、ハァ……」
兎はもう息をしているだけだった。
目を瞑り、身体中を血だらけにし、ただ胸だけを上下させている。
「………」
俺はしばらくその兎を見つめた後ーーー
サッ…
兎の手元にあるステッキを手にとった。
「っ……」
持ち心地は最高だった。
さすが世界に一つしかないーーー
俺が求め続けたステッキだ。
俺は立ち上がると泉の前までゆっくりと歩いていった。
兎……
もうお前を撃ったりはしない。
その様子ならどうせ…
死ぬだろ。
スタ、スタ、タ…
泉の前に立ち止まる。
水面に映る自分の顔を見つめた。
どこまでも闇に染められた俺の瞳はーーー
泥沼のように濁っていた。
「鷹目…」
ステッキの持ち手部分を持ったまま、先端を泉にそっと降ろしゆく。
ーーー真実を…
教えてくれ。
ポチャン…
ステッキの先端が水面についた瞬間ーーー
「ーーーーーはっ!!」
俺の頭にーーー
鷹目の記憶が入ってきた。


