『ごめん、黒犬』
俺は違う道を行くからごめん、てことか。
『行ってくれ、黒犬』
俺から離れろってことか。
『しばらく会いたくない』
どうしてだよ…
鷹目…。
俺はすぐにその場から立ち去った。
「ヒック…うぅ…グスッ…」
止まらない涙とともにーーー
心が少しずつ崩れてゆくーーー。
「ーーーはっ!」
気がつけば俺は炎が燃え上がる家の前にいた。
片手には使い終えたマッチが一つ。
「………」
本来の俺とはまた別に『恨みの塊の俺』は行動していた。
恨みの塊の俺はどんどん心の中で大きくなりーーー
巨大な『闇』として体を食い尽くしていった。
もう俺は闇に飲まれ、周りが見えなくてーーー
どこにいるのか分からない。
『鷹目…どこ!?』
闇の中をひたすら駆けて行く。
『鷹目!鷹目…!!!』
鷹目の姿をひたすら探して、永遠に続く暗闇の中を駆けて行く。
『鷹目…!!』
『黒犬』
『っ!!』
ふと目の前に鷹目が現れると、彼は濁った深緑色の瞳で俺に吐き捨てた。
『お前はもう相棒じゃない』
ーーーそんな夢を
俺はいつまで見るしかないんだ。


