「それよりどーするんですかジョンさん!!
店燃えちまったじゃねーですかっ!!
いくらなんでも店が燃えちまっては、靴屋は当分開けませんよ!?」




あたふたと喋り続けるガイドン。



ーーーったく、こいつってやつは…










「ーーー誰だお前は」



ふと、すぐ近くからニカの声が聞こえてきた。



「仮面を被った男の手下か?」


「仮面を被った…男?」




ガイドンは意味が分からなそうにしている。





「ーーー兎に近づくんじゃない…!
私が許さないぞ!!」


「え、兎…??」




ニカはたちまち俺の側に駆け寄ってくると、鞘に入った剣をとった。




「…なっ!やめろニカ!!」



俺は剣を奪い返すためにニカを掴もうとするが、ニカのいる場所が分からない。



「下がっとけ兎!!」


「ちっ…!このガキめ!」




俺が盲目であることをいいことに自分勝手な真似しやがって……!!





「ひぃぃぃ!!」



ガイドンが怯えるような悲鳴を上げた。



おそらくニカが鞘から剣を抜いて、ガイドンに向けているんだろう。





「……たくっ!
やめろって言ってるだろ!ニカ!!
ーーーそいつは敵なんかじゃない!!」





「……え?」


「そいつは俺の店の常連だ!!
分かったらとっとと剣を下ろせ、クソガキ!」


「……っ!」




途端にニカは黙り込むとーーー



「…分かった」



剣を鞘に入れた。