「すまん、ちょっといいか?」
俺は死刑囚の情報を得るために、野次を飛ばす町民の一人に声をかけた。
「あぁ?なんだ?」
「ちょっとあそこの死刑囚について訊きたくてね!」
死刑台を指さすと、男はそちらに視線を向ける。
そして訝しげな表情で俺を再度見つめてきた。
「彼は一体どんな罪で死刑台に立たされることになったんだい?詳しく教えてほしいんだけどなぁ。これでどうだ」
ポケットから金貨を3枚取り出し、男に見せる。
男はそれを見るたび目をキラキラとさせた。
「お安いご用ですよ旦那!!」
男は一度咳払いをすると大口で唾を飛ばしながら喋り出した。
「あいつは兎っていう最悪のガキですよ!なにせ北の悪魔の弟子だったもんだからね!今は一人でほっつき歩いてるのかどうかは分からんですが、そこら中で人殺しを繰り返しているらしい!
この間、親戚の娘が腕に大怪我を負ったらしくってね!そりゃあもう許せなくてここに見に来てやりましたよ!さっき言ってやったよ!お前みたいな親なしの盲目野郎はこの世に存在するんじゃねぇって!」
「っ?」
親なしの盲目野郎?


