『俺たちはずっと一緒だ!』
「あっ」
ふと、黒犬の姿が頭の中を横切った。
そうだ、そうだよ。
俺たちは世界に対抗していたんじゃないか。
「いらない」
俺はスープを突き放しそっぽを向いた。
こんなもの一つで悪に騙されてはいけない。
これはきっと何かのエサだ。
「口に合わなかったか?」
男は一口スープを飲むと、眉を下げながら俺を見つめて微笑んだ。
「こんなに美味いのになぁ…」
男はイーグルという名前だった。
森一番の猟師だとも言っていた。
しかしーーー
「そんなの嘘に決まっている」
俺はすぐにそれが嘘だということに気が付いた。
イーグルの懐にある銃が、明らかにそれ用のものではないからだ。
「ははっ、なかなか鋭いなお前は」
彼は笑うと銃を取り出して俺に見せてきた。
所々を金でコーティングされているそれは、持ち手の部分に鷲が刻み込まれている。
「俺は殺し屋だ」
「っ…殺し屋?」
「ああ、政府やどこかのお偉いに殺しを依頼され、それをスムーズに実行する。恨みを持って殺すわけではない。世の中には自分の欲望に負け、人々の気持ちを理解しようとしない奴らがたくさんいるからな。俺も本当はこんな仕事はしたくないのだが、世界の均衡を保つにはやるしかない」
銃を懐に戻す。
俺はそれをずっと目で追っていた。


