「待て!逃がさないぞ!!」
「ハァ、ハァ!」
その日俺と黒犬は町の保安官に追いかけられていた。
心臓がもともと弱かった俺は自分の体を無理やり動かしながらも逃げ続けていた。
「ハァ、ハァ…!」
途中で黒犬とはぐれてしまい、俺は町のど真ん中をひたすら走り続けていた。
黒犬…どこだ…?
「ヒー…ヒー…」
息が吸えなくなり過呼吸になる。
もう、ダメかもしれない…
そう思っていた時だった。
ーーーバンッ!!
大きな銃声が辺り一面に鳴り響いた。
いきなりのことに足を止める保安官。
ドサッ!
「ヒー…ヒー…」
俺は限界に達しその場に倒れ込んだ。
スタ、スタ…
段々と近づいてくる足音。
朦朧とする意識の中で、俺はゆっくりと薄目を開けた。
するとそこにはーーー
長い銀色の髪をなびかせた一人の男が立っていた。
男はぐったりとした俺の体を抱き上げると、保安官に清々しい顔で言った。
「ーーー俺の子にする。それだけだが?」
「っ!」
聞こえてきた言葉に思わず吃驚した。
俺の…子?


