「おかーさん帰ろっ!」
「そうねー」
ふと橋の上から聞こえた声に反応し、こっそりと下から覗き込む。
見るとそこには手を繋いで歩いている母と娘の姿があった。
「…っ」
胸が締め付けられるような思いが俺を襲ってきた。
小さな手を優しく包み込む母親の手を見て、いつのまにか手を前へと差し伸ばしていた。
「あっ…」
何やってるんだ、俺。
もう手を繋いでくれる人なんていないじゃないか。
手を伸ばしたまま落ち込んでいると、すかさず黒犬が顔を覗き込んできた。
「どうした?鷹目」
「っ…なんでもない」
そっぽを向くとーーー
「へへっ」
黒犬は悪戯げな笑みを浮かべて俺の手をとった。
そしてーーー
ガシッ!!
しっかりと強く握る。
はっとなって顔を上げると、黒犬は満面の笑みを浮かべていた。
「俺たちはずっと一緒だ!鷹目!!」
「っ!!」
ドキンッ!
心臓の高鳴りと共に、涙がこみ上げてきた。
黒犬のその言葉が心から嬉しかった。
「…グスッ…ああ…」
ーーー俺たちはずっと一緒だ。
ずっと『相棒』だ。


