「いやー今日もたっくさんいいことをしたな鷹目!」
「そうだな、神がきっと喜ぶ」
傷だらけになった体を川で洗い流す。
自分で洗うことができない背中は黒犬に任せ、その代わり俺も黒犬の背中を流してやった。
「俺たちはきっと神の子なんだ。俺たち、他の奴らとはまた違う力を持っているだろ?きっと神がここに生んで下さったんだよ」
黒犬はどこまでも前向きな少年だった。
自分は捨てられたと思うことを止め、ここにいるのは神のおかげだと言い続けていた。
俺はそんな黒犬が逞しく見えて仕方がなかった。
「…そうだな黒犬。本当にその通りだよ」
実際口ではこう言っていたが、俺は頭の中に薄っすらと残る捨てられた記憶を忘れられずにいた。
川に俺を置いていく金髪の女性。
俺と同じ髪色をしているのだから、きっとそれは俺を生んだ母親だったに違いない。
ズキッ
「…っ」
胸が痛む。
俺は母親に捨てられたんだ。
そう思うと悲しくて苦しくて仕方がなかった。


