「おじさんはおかしくなんてない…」
私が呟いた言葉に、二人の女性は顔を見合わせる。
私はガッと目を開いて、女性たちをまじまじと見つめながら叫んだ。
「おじさんはおかしくなんてない!あったかくて、いつも笑っていて、お前たちみたいに人を見捨てない優しい人だ!」
ーーーそうだ。
おじさんはあの時私を拾ってくれて、帰ろうって言ってくれたんだ。
「お前たちこそどうなんだ!好き勝手ばっかりしてるじゃないか!自分が嫌だと思ったものは省き、いらないと思ったものは捨てる!たとえそれが人間でも!!
そんなお前たちがおじさんを好き勝手やってる人間だなんて言う資格はどこにもない!!」
散々たらい回しにされてきた時代。
私は本当に苦しかった。
人間の醜さを知った。
人間のーーー悪いところを知った。
「おじさんは教えてくれた…グスッ…。人に絶対に『お前なんかいらない』って言っちゃいけないって…グスッ…。教えてくれた…」
初めておじさんが私に怒った時のこと。
あれは私に教えるためだったんだ。
この世に存在してはいけない人間なんてーーー
どこにもいないんだって。
「たとえおじさんが殺し屋だったとしても…!おじさんは絶対に頭なんておかしくないし、好き勝手やってないし、間違ったことなんてしてない…!!…グスッ…おじさんを…グスッ…おじさんを……悪く言うなぁぁ!!!」


