「あ……」
ふと、頭の中にあった映像が静かに消えていった。
「ハァ、ハァ…」
「あっ、ミラ!」
気づくとミラは、ぐったりとして苦しそうに息をあげていた。
「そいつは特殊な能力を持ってるのか?」
ふとシーナが声をかけてきた。
「ああ、そうだ」
「っ…だったらこんなに無理させては駄目だ」
「っ?」
シーナは俺の背後に回ると、ミラをそっと抱き上げた。
「能力者は能力が使える代わりに体が弱いんだ。まったくこんなにクタクタにさせて…
ーーーこの子は私が運ぶから、あんたは黙ってついてこい」
「っ…」
誰がクタクタにさせたと思っている…
まるでニカと話しているような感覚に違和感を感じて俺は下を向いた。
「行くぞ、私の家に案内する」
シーナが歩き出すと、俺は仕方なくその足音を辿ってついていった。
シルクハットとステッキを置いてきてしまったから、後から取りにいかないとーーー。


