ーーーガイドンと合流した後、俺たちはすぐにニカの母親であるシーナを再び探し始めた。
ガイドンは俺の行動に驚いているようだった。
しかし、しばらく経つと安心したのか、一緒になって人々にシーナの居場所を聞き込み始めた。
集落の人々はやはりシーナという名前を知らなかった。
鷹目のシルクハットを見せれば分かるのではないかと思い、俺たちは女性を見つけるたびにシルクハットを見せた。
しかし、やはり簡単には見つからなかった。
「はぁ…」
人通りが少なくなった真夜中、俺は木造の小屋の脇で腰を下ろした。
どうしてこんなにも見つからないんだ。
本当にシーナはこの集落のどこかにいるのか?
「ちっ…」
苛立ちが込み上げてきた。
ニカを助けなければいけないって時に、どうしてこうなるんだ…
「大丈夫ですか?兎さん…」
ふと、ミラが俺の隣にしゃがみ込んできた。
「ああ、大丈夫だ。
ガイドンはどこだ?」
「まだ聞き込んでいます」
「っ……そうか」
必死に声をかけるガイドンの姿が脳裏に浮かんだ。
鼠という正体を隠していたものの、やはりまっすぐで優しさで溢れている『ガイドン』には変わりがない。
彼は本当にいいやつだ。