『ーーー助けて欲しいんだ!!』




最初にニカと出会ったときのことを思い出した。



あの時はとんだ口の悪いガキが来たと、正直俺は呆れていた。




だがーーー




『うさ…ぎ……』





あんな寝言を口にしたり、俺が離れるとすぐに怒り出したりしてーーー。




俺は呆れたふりをしてーーー



本当はそれが心底嬉しかったのかもしれない。





生意気なあのガキをーーー



愛していたのは俺だったのかもしれない。










ーーーハカゼの家にいた時の夜。




実は一度、俺はニカに添い寝をした時があったのだ。




ニカが俺の腕を離さなかったため、仕方がなくそうしたのだ。





「スー…スー…」



「………」




ニカのすぐ横で、俺は黙って目を瞑っていた。



眠りには就けずにいた。




すると突然ーーー




ギュッ…




ふとニカが寝返りを打って、俺の胸に抱きついてきたのだ。



「っ!」




俺は動揺し、すぐさま離れようとしたがーーー



あいつはポツリとこう呟いたのだった。