ーーー川の淵に座り込み、俺は目を瞑っていた。
元々使えない目だ。
瞼を開けていたって閉じていたって何も変わらない。
『兎…!』
まだ俺の頭の中では、ニカの叫び声が響き渡っていた。
「くそっ……」
なんて俺は役立たずなんだ。
目が見えていなければ、ニカや鷹目がいなければ…
俺は何もできない無力な人間なのか?
「ーーー兎さん」
ふと、すぐ近くからミラの声が聞こえてきた。
「…ここに座ってもいいですか」
「っ…」
今は誰とも話す気分ではないがーーー
そんな自分勝手な都合で他人にあれこれ言う資格もない。
「かまわない」
俺がそう言うと、ミラはゆっくりと俺の隣に座った。