少年は鷹目という名前だった。
本当の名前は無いらしい。
鷹目は俺の3歳年上の12歳だったが、背の高さは俺と少ししか変わらず、肌の色は俺より白かった。
そして頭の上にはーーー
いつも大きなシルクハットをのせていた。
ーーー鷹目は特殊な体だった。
ハカゼから聞いたところ、彼は体内の半分以上の力が目に集中しており、誰よりも視力がいい代わりに体はとてつもなく病弱だった。
特に心臓は弱く、少し体を動かしただけで息が上がってしまうような体質だった。
「あの…鷹目さん…?」
「………」
鷹目は俺が話しかけても全部無視し、その代わりに鋭い目つきで俺を睨みつけてきた。
「ひっ…」
「………」
俺はその度に落ち込んでは、ハカゼの胸に顔を埋めて泣いた。
「俺…グスッ…絶対嫌われているんだぁぁ…」
「はっはっは!
何てことで泣いてるんだい、シルブ。
お前は心が綺麗なんだねぇ…」
しかし泣いたとは言えど、俺は鷹目に何度も話しかけ続けた。
おそらくーーー
その頃から俺は、鷹目を兄さんのような存在として見ていたのかもしれない。


