「うわぁ!!」
「ガッシャーーーン!!」
俺はその日、物干し竿を5度も倒した。
しかし倒すたびに聞こえてきたのは罵声ではなくーーー
ハカゼの大きくてしゃがれた笑い声だった。
俺が顔を砂だらけにしながら洗濯物を干し終わると、ハカゼは俺を褒めてくれた。
「よーく頑張ったねぇ…
だけどほら見ろ、洗濯物もお前さんも砂だらけだ。服もお前さんももう一度洗わないとねぇ」
俺はハカゼが大好きになった。
大好きだからこそ、たくさん家事を手伝ってはたくさん失敗した。
何度失敗しても、ハカゼが俺に怒ることは一切なく、むしろ笑っていた。
そしていつの間にか俺はーーー
洗濯物も料理も、そして掃除までも完璧にできるようになっていったのだ。
「ハカゼさん!シチューできたよ!」
「おお、どれどれ」
ハカゼは俺が作ったシチューを味見すると、にっこりと微笑んだ。
「あんた、大きくなったねぇ」


