「始めるよ」
ハカゼがそう言った瞬間ーーー
「っ!」
あたりの音や匂いは全て遮断され、部屋は急に寒くなった。
そしてーーー懐かしい声が聞こえてきた。
『兎ちゃん…久々だねっ…』
「っ!」
その声は紛れもなく鷹目のものだった。
「…鷹目、久々だな」
『へへっ…6年ぶりだもんな…
…ちょっと老けたか?』
「ああ、身も心も老けまくりだ」
『ははっ…』
ドクン…
ドクン……
心臓の音が、いつも以上に大きく聞こえた。
とてつもなく緊張している。
『…兎ちゃん?』
しばらく経つと、また鷹目が口を開いた。
『俺にとって兎ちゃんは……
本当に大事な存在だったんだ…』
「……っ!」
俺は目を丸くした。
『その様子じゃあ…ばれてなかったみたいだね…』
「あ、ああ…知らなかった」
『兎ちゃんは昔から真面目すぎるんだ…
だから外部の情報に集中しすぎてーーー大事な心髄を見逃してたりするんだよ…』
「っ……」
6年ぶりの再会でさっそく駄目出しか…?
『まあ、そういうところも含めて俺は兎ちゃんを慕ってたわけなんだけどねっ…』
鷹目は子供みたいに笑って見せた。


