「それを食べるな!!」
「どうしてですかジョンさん!」
「いいから!!」
俺はガイドンの腕を掴んだまま立ち上がった。
そしてニカのベッドの方まで探り探りに向かう。
「ちょっと…ジョンさん!?」
ガイドンは俺の後ろで混乱していた。
そんなの当たり前だ。
無理やり食べるのを引き止めたのだから。
俺はベッドに寝ているニカを抱えると、その脇に置いてある荷物も探って手にとった。
「ガイドン、ここを出るぞ!」
「え!なんでですか!!」
「きっと罠だ!」
「ちょっと、何を言ってるんですか!」
自分でも何を言っているのか分からなかった。
しかしーーー
『ーーーダメ』
あの声が自分をそうさせていることは確かであった。
「とにかくここを出るぞ、いいな!」
主人があんな父親だったと知った今、ここはもう怪しい場所としか思えない。
それにあの声ーーー
天から届いたような、頭の中に響いたあの声ーーー
まるであの声が俺たちを導いてくれているように思えて仕方がなかった。


