「とりあえず頂きましょう、ジョンさん!」
ガイドンは俺の隣の席に座ると、ガシャガシャと食器を鳴らしながらも、目の前にある料理をとっていった。
「……っ」
食べたい気持ちはいっぱいだったが、俺はどうしても料理に手を出せなかった。
なにか怪しい、そう感じていたからだ。
「ジョンさん、食べないんすか?」
「あ、いや…食べるが…」
ーーーあの父親が、こんなに快く客を迎え入れるような男だったか?
改心したのか?
いや、改心はしていないはずだ。
あいつの低い笑い声は、昔と全く変わっていなかった。
やはりこのもてなしは…
どこかおかしいぞ…。
ーーーと、その時だった。
『ーーーダメ』
「っ!?」
ふと、頭の中から声が聞こえてきた。
透き通った女性の声だ。
『それを食べちゃダメーーー』
「っ!…ガイドン!それを食べるな!!」
「えっ!?」
俺はガイドンの腕を咄嗟に掴んだ。
ガイドンはあと少しで料理を口に入れるところだった。


