「どんな過去を持とうとも、恨みを持っては決していけませんよ」
ガイドンはニカを寝かしつけてから、ふと俺に近づいてきた。
ーーーまただ。
また、ガイドンらしくない発言だ…
「ジョンさん…」
俺の前でガイドンは止まると、俺の両腕をギュッと握りしめた。
「っ!」
「笑ってください、ジョンさん」
「え…」
ガイドンは握る力を強めた。
「笑っていれば、どんな気持ちもきっと晴れるはずです。
ーーーかつて俺が尊敬していた人が…そう言ってました」
「っ!?」
尊敬…していた人?
ガイドンは俺から手を離すと、少しずつ離れていった。
「とりあえず食べましょうか、ジョンさん。
お腹減っているはずです」
「………」
いつもと変わらない優しさ。
いつもと変わらない口調。
だがなんだ…
この少しだけ違うーーー
ガイドンの雰囲気はーーー。
「ほらージョンさん!
はやく食べますよ!!」
「っ!」
ガイドンは俺の手を引くと、料理が乗るテーブルまで引っ張ってきた。
そして俺を席に座らせる。
おいしそうな匂いが、よだれが出てしまいそうになるほど漂ってきた。


