主人の笑い混じりの発言に、俺は左拳をギュッと握りしめた。
「………」
何が立派な男だ。
何が後悔だ。
お前は俺とーーー
俺の母さんを捨てたーーー
最低な男に変わりないじゃないか…!!
「……っ」
ギュッと唇を噛みしめる。
噛み締めていないと、今まで抱えてきた憎しみが全て解き放たれそうだった。
「悪いな引き止めてしまって。
もう下がって良いぞ」
「……っ」
今にでも殴りかかってやろうかと思った。
いやいっそーーー
殺してやる…
「ーーーガシャ」
俺は左腰の剣の柄を握った。
ーーーと、その時だった。
「…ジョンさん」
ふと俺にガイドンが声をかけてきた。
そしてーーー
グッ…
「…っ!?」
俺が握っていた柄を、手の上から押さえつけてきた。
「…お気持ちはわかります、ジョンさん。
でも今は何もしないほうがニカさんのためです。
ーーー行きましょう」
「っ!」
俺が顔を上げた途端、ガイドンは俺の手を強く引くとそのまま扉を出たーーー。


