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ある日俺はある怒鳴り声を耳にした。
『盲目ねずみは死ね!』
たしかそんな言葉だったような気がする。
ーーー叫ばれていたのは一人の幼い少年だった。
見ている限り、目が見えていなかった。
俺はその少年を自分と重ねた。
哀れだと思ったんだ…
人から突き放され、石を投げられ、唾を吐かれるーーー
昔の俺とまったく一緒だった。
「ーーーおい」
「っ!!」
俺は声をかけた。
共に生きるように言った。
ーーーでも俺は、正直育て方を知らなかった。
脳みそに憎しみしか詰まっていなかった俺は、その少年を強くしてやることしかできなかった。
人を殺すことでしか『生』を感じられない俺は、人を殺すことしか教えてやることができなかった。
今思えば最悪の親だ。
本当に情けない。


