ーーーそれは、ある日の夜のことだった。
「ちょっと出かけてくる」
「気をつけろよ、ゼイル」
ゼイルは俺を残して、どこかに出かけていった。
家で待っていろとは言われたものの、腕を失ったゼイルを俺はものすごく心配していた。
ーーーこのままじゃ、眠れずに朝が来る…
俺はベッドから出ると、こっそりとゼイルの後をついていった。
ーーーゼイルが向かったのは、とある町角の酒屋。
何度か来たことがあったため、目に見えなくてもそこが酒屋であることが分かった。
「待ったよゼイル」
「ぎゃはは、悪い悪い!」
ーーーん?
聞こえてきたのはゼイルの声と、若い青年の声。
ーーー誰なんだ、あれは…
俺はそのまま二人の会話をこっそりと聞いていた。


