ーーー気づけば俺は15歳になっていた。
『兎』
俺はそう呼ばれ、国で有名な殺人者の一人として扱われていた。
自分の武器は強靭な脚力と両手に持った剣。
何も見えなかった俺は、それらを使ってただ暴れまわっているだけだった。
殺せればいい。
誰が死んだって構わないーーー。
「お前も立派になったなーアルバート。
もうすぐ追い抜かれるなー」
15歳になっても、ゼイルは俺の頭に手を置こうとした。
俺はそれを拒否するようになっていた。
「…やめろ、ゼイル。
俺はもう子供じゃないんだ」
子供として扱われるのを、俺は心底嫌った。
それはーーー
「ゼイル、大丈夫か?」
「ああ、たいしたことはねーよ」
右腕に病を患ったゼイルを、子供ではなく一人の『男』として守っていこうと思っていたからだ。
「この右腕はだめだ。切り落とす」
「っ!!」
ゼイルは自分で右腕を切り落とし、できる処置を行った。
俺を地獄から拾い上げてくれたゼイルの右腕はーーーなくなった。
ーーーこのときの俺は思ってもいなかった。
まさか自分が、自らの足でゼイルの側から離れていってしまうとはーーー。


