冷たい雨が、とめどなく降り注ぐ。


髪にも、

顔にも、

身体にも、


びしょ濡れになって走った。



ただ、蓮に会いたくて。


早く、蓮に会いたくて。


他のことなんて、なにも頭になかった。



蓮、、

蓮、、


何度も心の中で呼んだ。


誰よりも、何よりも大切で、


愛おしいその名を、、



待っててね。


すぐ行くから。

もうすぐだから。


お願いだから、まだ行かないで。


まだ、蓮を連れて行かないで。



やだ、やだよ、、。


蓮、どこにも行かないで。



私、蓮がいないと、、


私、、



神様、お願いです。


最後にもう一度、

最後にもう一度だけ、蓮に会わせて。


まだ、伝えなきゃいけないことがあるから。