店を出て、前を歩く里中君と美雪と公貴。


その後ろを歩く私より、さらに少しだけ、斜め後ろを歩く蓮。



何かしら声をかけてくれないかと、

見えない蓮の顔はどんな表情なのだろうかと、


蓮のことばかり気になって。



、、あ〜!ムズムズする!


蓮は、

やっぱり覚えてないのかな、、?



そう思って、少ししょんぼりした時だった。




「その花、綺麗だな。」

「へっ?」


ボソッとつぶやくように聞こえた蓮の声に、

慌てて後ろを振り向くと、



懐かしそうな目をして、優しく微笑む蓮がいた。




「蓮、いま、、なんて、、」

「ん?」


蓮の、いま言った言葉、、

蓮が、いまつぶやいた言葉は、、


、、聞き間違えじゃないよね?



「その着物の花、綺麗だな。」


もう一度そう言って、また微笑んだ蓮。