私の考えはすぐに現実になった。
光貴は、入学してすぐから、クラス内どころか、他のクラスにも噂が広まるくらい、有名なモテ男くんになった。
男女問わず、光貴は人気者だった。
サッカー部に入って、1年生なのにスタメンに選ばれたり。
スポーツだけじゃなく、勉強も出来て、学年でもトップクラス。
もちろん、抜群のその容姿。
女子中学生が惚れるには、十分すぎるくらいに、全てを兼ね備えていたんだ。
「茉菜、絆創膏持ってない?」
「あるけど、なんで?光貴ケガしたの?」
「ん。ちょっと指切った。」
「保健室行かなくていいの?」
「大丈夫、そんなに大したケガじゃない。」
いつからか、光貴は私のことを茉菜と呼ぶようになっていた。
私も、光貴に名前で呼んでって言われて、特に気にすることもなく、光貴って呼ぶようになった。
でも、そのせいか、私達が付き合ってるって噂が流れたりして、ちょっと困ったりもした。
私と美雪、光貴と友達の荒木くんは、4人でいつも一緒にいた。
入学式の日のこともあって、自然と仲良くなって、グループになってたんだよね。