もう君がいない



光貴がケガをした日、

蓮との花火大会の約束をやぶった日、


私は決めたんだ、光貴の側にいると、、

光貴を支えたいと思ったんだ、、


なのにどうしても、、

どうしても、蓮への気持ちが消えてくれることはなかった。

ちっとも小さくなってくれない。


必死にフタを被せてるだけで、、

気を緩めたら、すぐにその気持ちがひょっこり顔を出す。



あの次の日、朝から家に帰った。


おかえりと迎えてくれたお母さんにも、何も話す気になれず、すぐに自分の部屋に向かった。

荷物を適当に放り投げ、そのままベッドにうつ伏せた。


すると、すぐに電話がなった。


画面を見ることなく、電話に出ると、

「もしもし、俺だけど。」

いつもより元気のない、控え目な声で話す、蓮だった。


「帰ったのか?」

「うん、たったいま着いたばっかりだよ。」

「そっか。」

「うん。」


沈黙が流れる。

ああ、、でもどうしてだろう、、?


本当に、蓮との沈黙は嫌じゃない。

むしろ落ち着く、、