別に、やましいことは何もないんだけど、、
でも、やっぱり、、
中学の時、光貴と付き合うまでに私が好きだった人、なんて言えない。
しかも、それが初恋だなんて。
「茉菜、ちゃんと案内してやれよ。」
「えっ、あ、うん!」
いきなり光貴に話しかけられて、ちょっとビクっとしちゃった。
「おい拓弥、そろそろ行くぞ。」
「ああ、そうだな。じゃあな、蓮、茉菜ちゃん!また明日!」
「おう。」
「バイバ〜イ!」
光貴と里中君も教室を出て行き、ついに蓮と二人きり。
ちょっと、、やっぱり気まずいよ。
何話していいのかわかんないし。
「じゃ、じゃあ行こっか。」
「ん。」
私は歩きながらも緊張しちゃって、半歩くらい後ろを歩く蓮の様子が気になって仕方ない。
蓮がいる右側に、集中しちゃってる自分がいる。
蓮は、何でそんなに余裕なの?
特に気にも止めてない様子で、窓の外を眺めながらついて来ている。
何とも思わないの?
私に、話すことないの?

