空っぽの君を

奈乃が隣なのか。

珍しいなこの学校、誕生日順だな。

裕が奈乃の後ろの席の時点でわかった。

奈乃は5月2日生まれ、裕は5月5日生まれだ。

これで奈乃を席替えするまで1番近くで見守ることができる。

ありがとう神様。

少しは感謝してやるよ。

でも奈乃の笑顔と奈乃の夢を奪ったことは、

一生許してやんねぇーよ。

「奈乃。よろしくな。」

珍しく話し掛けてみた。

奈乃は少しビックリしたのか俺の顔をしっかり見た。

俺が首を傾げると、ペコとした。

可愛い。相変わらず綺麗な目だった。

でも光を失ってた。

あの時の奈乃の瞳の輝きを返してくれ。。

そんなこんなで入学式も無事に終わり、

午前帰りだった。

確か今日は奈乃は病院だ。

俺も急いで帰ろう。

「拓人くーん!裕くーん!クラスで親睦会やるからきて!」

多分モテるんであろう女が話し掛けてきた。

俺は無視して通り過ぎた。

「ごめんな!俺も拓人も用事あるからさ。じゃあ!」

いつもあと始末は裕がしてくれる。

「また集まろうね!」

っと甘ったるい声で言ってるのが聞こえた。

キモ。吐き気するわ。

裕とも別れ家に着く。

「拓人、おかえり」

「おぅ。今日奈乃の病院だろ。なんかあったら教えろよ。」

「お母さんに向かって教えろってなによ!」

母さんは奈乃の親戚が病院に連れてかないから代わりに連れて行ってもらってる。

「とりあえずよろしく。」

「わかったわよ。お留守番よろしく。」

母さん。奈乃を頼んだ。