「、、、きろ、、、
起きろ。」
と肩を軽く叩かれ、目を覚ます。
目の前には、私の額に手を当てる佐藤先生。
ハッ!
あのまま寝ちゃったのね。
「朝から動いて、疲れたんだな。
熱はないけど、今日は一日横になってろ。」
と声をかけられ、部屋から出ていく佐藤先生。
私は、慌てて起き上がり、リビングに向かう先生の後ろを歩いた。
キッチンには、
すごっ!
鰻重、、、
生まれて初めて食べる鰻重。
「食うぞ。」
と言われ、キッチンのテーブルについた。
私は感激のあまり箸を持つことができなかった。
すると、
「食欲ないのか?」
と聞かれた。
「いえ、
初めて、
食べます。
嬉しくって、固まって、、、
しまいました。」
と言うと、
「ブッ!」
と佐藤先生が、吹いた。
「ごめん、ごめん。
そんな喜んでもらえるとは思ってもなかった。」
と笑いながら答える。
もー、失礼な人ー。
と思いながらも、私も自然と笑みがこぼれた。
そして箸を手に取り、初めての鰻を、口へ運ぶ。
や、やばい。
感激!
「おいしっ!」
と、つい口からこぼれる。
箸が止まらなかった。
その後二人で食べ終え、私はお皿を洗い、お店の人が取りに来てもすぐに渡せるように、玄関におかもちをおいて、リビングへ戻った。
「ちゃんと薬、飲めよ。」
と言われ、佐藤先生から渡された薬を飲んだ。
すごい、専属の医者みたい。
「明日から俺は仕事だから。
朝は7時半に家を出るから。
学校はどうする?無理しなくてもいいぞ。」
と言われた。
もちろん学校には行きたい!
部活のこともあるし。
「一応、行くつもりです。」
と答える。
「分かった。何かあったらいつでも連絡しろ。
帰りは8時は過ぎると思うから。」
そして、夜ご飯まで部屋で寝るように言われたので、私はいっぱいになったお腹をさすりながら、部屋に向かった。