昨夜私は、お母さんと一緒に寝た。
お母さんがずっと手を握ってくれた。
目を覚ますと、隣にお母さんがいた。
私は、何年も前にこの温もりを何度も感じたことがある。
きっと、それはこの隣にいるお母さんのものと、心のどこかで確信していた。
「ん?
おはよう、起きたの?」
とお母さんが私の方に顔を向ける。
私はずっとお母さんの寝顔を見てたから、お母さんがこっちを向いてドキッとした。
恥ずかしくて、でも嬉しくて、私はお母さんの腕に顔を押し付けた。
「ふふふ。起きようかしら。」
といい、お布団をめくった。
「さぁ、かなちゃん。今日は旅行ですよ。」
といい、私を起こした。
私はお母さんにおはようと、挨拶をして、お母さんが朝ごはんを作る間、旅行の最終準備をして、準備し終わるとリビングに荷物を持って行った。
少しすると、お父さんも先生も起きてきた。
それぞれご飯を食べて、準備をはじめてる。
私は皆が食べた食器を片付ける。
先生から買ってもらった服を汚さないように。
そんな様子を見ていたお母さんから、
「あら、その服。
もしかして、幸治が選んだ?」
と言うと、お父さんも顔を上げた。
「えっ?なんで分かるんですか?」
「幸治の服の雰囲気に似てるわ。
自分好みに仕立てたって感じ。
ふふふ。」
そうだったんだ。
だから、試着室から出てきた時に、それなりに私の格好がに自分の想う姿だったから、何も言わなかったんだ。
とあの時のことを思い出すと、恥ずかしくなった。
するとリビングにきた先生が、
「おい、薬持ったか?
飲み薬と吸引器は。」
と言われたので、
「はいっ。持ちました。」
と言うと、お母さんが、
「あら、専属のお医者様の登場だわ。」
と先生をからかっていた。
そして私たちは、4人で旅行へ出かけた。



