「えっ?
翔くん!?」
「かなっ!」
えー!!!!!
「さ、、とう、、」
「そうそう、俺、佐藤翔!
佐藤先生といとこっ!」
知らなかった!!
私は翔くんのお父さんとお母さんをリビングに通した。
「せんせ、せんせ!
翔くんって、、、せんせーのいとこ???」
「あれ?言ってなかったか?
俺のいとこ」
聞いてないよー!
「知らなかった。だから先生、病院であんなにスパルタだったんだね。」
「そんなことないわ。」
と否定するけど、すごかったんだから。
スパルタで勉強を教える先生。
ご飯の用意も終えて、リビングに皆がつく。
お父さんの話があって、みんなで乾杯をした。
すると翔くんが、
「えっ、でもなんでかながいるの?」
と言うと、お父さんが説明した。
翔くんのお父さんたちは知っていたみたい。
私が先生のおうちに養女になっていた時から。
翔くんにも会ったことがあったみたい。
でも、お互い小さくて、記憶にない。
すると翔くんのお父さんが、
「翔とかなちゃんは同い年だから、よく遊ばせてたんだけど、覚えてないかー。
だけど二人で遊んでると、いつも幸治がかなちゃんを連れてどっかに行っちゃったり、かなちゃんも幸治がいなくなるとすぐに泣いてたな。」
え?そんなに長いこと養女になってたの?
「おじさん!そんな話はやめてくださいよ。」
と先生は言うけど、翔くんのお父さんは全く聞く耳を持たない。
「翔に素敵な彼女ができたなって、かなちゃんと翔がいる前でいったら、かなちゃんは何て言ったと思う?」
覚えてないよー。
顔を横にふる。
「それがね、
嫌だよー!私は幸治お兄ちゃんのお嫁さんになるんだもーん!
って、泣きながら言ったんだよ」
「ぇえっ!私、そんなことを、、、」
恥ずかしい。顔が真っ赤になるのがわかった、
先生は、私の顔をちらっと見ると、
「そんなこと気にしなくていいんだからな、かな。」
と言った。
「そ、そうだぞ。かなだって、大きくなって、いろんな人と出会ってるんだから、男は幸治にぃだけじゃないんだからな!」
と焦っていう翔くん。
そこに翔くんのお母さんが、
「そうよね、翔も立派な男だもんね。」
と言うと、翔くんは顔を赤らめて、
「う、うるさいよっ!」
と慌てていた。
「かなちゃんは、今も昔もモテモテだね。彼氏はいないのか?」
とお父さんが言う。
「いません。もう高校生なのに、今だに人を好きになるって、よくわからなくて。」
と答えると、
「うーん、難しいな。一つ言えることは、好きと思う人は、自分にとって大切な人でもあるということだな。
私は、お母さんも好きだし、幸治もかなちゃんも好き。
それと同時に大切だって思ってるよ。
まぁ、お母さんは飛び抜けて好きだけどな。」
なんてお母さんを見ると、お母さんは、
「もー」
と言いながら、まんざらでもなさそうで答えた。
それを見て、皆が笑った。
こういう食卓好きだな。
初めて家族というものが素敵だと思えた。
それから夜まで宴会は続いた。



