先生のベッドで寝かされた私は、ボーとしながら、天井を見つめる。
「着替えるから、壁の方、見てろ。」
と言われるけど、頭に響かなくてボーと天井を見ていたら、視界にタオルが目に入った。
ただ何となくタオルに目をやった瞬間!
「キャッ!」
見てしまった。
見てはいけない例の物を。
佐藤先生、義理の兄ではあるけど、、、
見てはいけないものを。。。
「おいっ!壁の方を見るように言っただろっ!」
と言いながら、慌てて下着をはき、服を着る。
ボーとしてて、何言われてるのかわかんなかったよー!
恥ずかしっ!
「ごめんなさいっ!あんまり聞いてなくて、、、」
「まぁいいわ。さっきから顔が真っ赤だぞ。
熱測れ。」
と言われ、体温計を脇に挟む。
「気分はどうだ?」
今のでドキドキしてますわ!
「頭がボーとして、顔が熱くて、ゾクゾクする。」
と言い、音の鳴った体温計を先生に渡す。
「うわっ、
行くぞ。」
ん?なんて?
どこに?
「え?」
と聞き返すけど、完全無視され、また抱えられ布団をかけられ、部屋を出た。
先生はリビングの電気を切って、いつもの仕事のかばんを手にすると、私を抱えたまま急いでマンションを下り、車に向かった。
私はボーッとして、たまにくる悪寒に耐えていた。
車の揺れから、胃が持ち上がり気持ち悪い。
でも、高級車の中で、絶対にそんなこと言えない。
言えば下ろされる。
なんて考えていると、すぐに車は止まった。
再び先生に抱えられて向かったのは、救急センターと書かれた看板が見える。
まさか、病院っ?
ようやく理解すると、体が拒否反応を起こし、私は気づくと暴れていた。
「ムリムリムリ!
お願いだから下ろしてよー!
また戻ってくるなんて嫌ッ!」
ベッドの上で体中をバタバタさせ、救急センターのお医者様と看護師様が困っている。
私は、、、、、
忘れていた。
そばに佐藤先生がいることを。。。
「うるさい!
静かにしろっ!」
シーーーーーーーーン。
救急センターの部屋が静まり返った。
「40度もあるんだぞ。病院に来て当たり前だ!」
えっ?何?
よん、、じゅう、、、ど!
自覚すればするほど、意識が飛びそうに、、、
飛んでしまった。



