未知の世界2


先生のベッドで寝かされた私は、ボーとしながら、天井を見つめる。






「着替えるから、壁の方、見てろ。」  






と言われるけど、頭に響かなくてボーと天井を見ていたら、視界にタオルが目に入った。





ただ何となくタオルに目をやった瞬間!







「キャッ!」







見てしまった。






見てはいけない例の物を。







佐藤先生、義理の兄ではあるけど、、、






見てはいけないものを。。。






「おいっ!壁の方を見るように言っただろっ!」






と言いながら、慌てて下着をはき、服を着る。






ボーとしてて、何言われてるのかわかんなかったよー!






恥ずかしっ!






「ごめんなさいっ!あんまり聞いてなくて、、、」







「まぁいいわ。さっきから顔が真っ赤だぞ。
熱測れ。」






と言われ、体温計を脇に挟む。






「気分はどうだ?」 





今のでドキドキしてますわ!






「頭がボーとして、顔が熱くて、ゾクゾクする。」






と言い、音の鳴った体温計を先生に渡す。







「うわっ、






行くぞ。」







ん?なんて?







どこに?






「え?」





と聞き返すけど、完全無視され、また抱えられ布団をかけられ、部屋を出た。





先生はリビングの電気を切って、いつもの仕事のかばんを手にすると、私を抱えたまま急いでマンションを下り、車に向かった。





私はボーッとして、たまにくる悪寒に耐えていた。






車の揺れから、胃が持ち上がり気持ち悪い。
 





でも、高級車の中で、絶対にそんなこと言えない。






言えば下ろされる。






なんて考えていると、すぐに車は止まった。






再び先生に抱えられて向かったのは、救急センターと書かれた看板が見える。
   
 





まさか、病院っ?






ようやく理解すると、体が拒否反応を起こし、私は気づくと暴れていた。






「ムリムリムリ!






お願いだから下ろしてよー!





また戻ってくるなんて嫌ッ!」






ベッドの上で体中をバタバタさせ、救急センターのお医者様と看護師様が困っている。
 





私は、、、、、








忘れていた。









そばに佐藤先生がいることを。。。






「うるさい!





静かにしろっ!」






シーーーーーーーーン。






救急センターの部屋が静まり返った。





「40度もあるんだぞ。病院に来て当たり前だ!」







えっ?何?






よん、、じゅう、、、ど!






自覚すればするほど、意識が飛びそうに、、、






飛んでしまった。