赤い絵の具の少年【短編ミステリー】



そんなこんなで、私が鍵のかかっている校門の前でつったっていると、後ろから声をかけられた。



「……笹中さん、おはよ。早いね」


「未来くんおはよう。未来くんも早いじゃない。」



そうだね、と未来くんはニコッと笑った。



「楽しみで、早く起きちゃった。」



えっ、と私は思い、未来くんを見ると、左目を瞑って、人差し指を口の前におく。


こんな動作でもキュンとしちゃう私は、重症かな?



「……あのね、抜け道があるんだ。着いてきて。」



私は未来くんの後を黙ってついていく。


すると、裏門にきた。


裏門の鍵は開いていたらしく、すぐに中に入れた。