「僕ね?変わった仕事をしているんだ。」
「変わった?」
「うん。死者が憎んだ相手を殺す仕事。復讐屋っていうんだ。」
死者が憎んだ……それって……
「ウサギ、可哀想だよね。あんなに狭い小屋に入れられて、満足にエサも食べれなくて、不潔で、男子にはほうきで叩かれたりして……
挙げ句のはてに、カッターでぐちゃぐちゃに刺された。
痛かったって。カッターって、薄いからすぐには楽になれなくて、何も悪いことしてないのに、いっぱい刺されて、それで、最後には踏まれたんだって。
可哀想。」
可哀想、といっているのに、笑っている。
可哀想っていう言葉には、感情がこもっていない。
「だから、死のうね。」
「いやっ!いゃっ!わたし、未来くんのことがすきっ!すきなのっ!
みくくんだって、そうでしょ!?わたしのこと、すきでしょぉぉぉっっっ!!?」
どうして、告白なんてしたのかわからない。
多分、命乞いをしていたんだと思う。
「ごめんね。僕は未来じゃないし、好きな人いるし、第一、君みたいな自意識過剰、だいっ嫌い。」
美術準備室に、綺麗な赤い花弁が舞った。