そしてこれから大人になるようで

翌日

「38度5分ね。」
「…」

異様に寒気がしたと思ったら、まぁ見事に熱が出てしまった。
呆れたとお母さんがため息をつく。

「まともに食べてないから体が弱ったのよ。」
「…んー」

精神的にも肉体的にも弱っていた自覚はある。

「学校には連絡しておくから寝てなさい。」
「はーい」

お母さんが部屋を出たと同時に、頭から布団をかぶった。
その中で携帯を見ると、もうすぐ授業が始まる時間だった。

本当にどうしようもないな。
1人で不安になって、勝手に傷ついて、それだけのことで熱までだして。

こんな風になりたくて勇世と付き合ったんじゃない。
こんな風になりたくて…勇世を好きになったんじゃない。

…もうどうしたらいいのかがわからない。

ただ…普通のことがしたいんだ。
一緒にご飯食べたり、一緒に帰ったり。
そういう普通の…恋人みたいなことがしたいだけなんだ。

「…あー、」

思わず鼻の奥がツンとして、泣きださないようにギュッと目を瞑った。