【三浦 篤】





ちゃんと、廻りを気にしていれば良かった







高校生とはいえ、子供返り中の2人から

目を離したことを僕は生涯悔やむだろう
















病院に帰る途中の事だった




よそ見ばかりする2人に、暴走車がぶつかったんだ


栗原夫妻は、医者だから剛の状態を見て

慌てていた


素人目にも、剛は…助からないんじゃないかと思った



親父も剛の名前を必死に呼んだ




そばには、剛と手を繋いだままの

めぐがかすり傷で、横たわっていた

動かさないように、哲がめぐを守っていた




僕は、2人の足元で、座り込む

佳菜が僕の背中を泣きながら擦ってくれた




どうして、こんなことになったんだ?