【遠藤 哲】



今日は、学校が午前中で終わり

めぐは、忘れているだろうから

脅かしてやろう


朝、具合悪そうだったから、早くそばに行ってやりたい


俺達は、めぐの病室を目指した


ガラッ




え?




何で?





ベッドが綺麗に整えてあり、めぐの荷物もない

戻って部屋の表札をみたら、なくて

ナースステーションに行った


「すみません!!栗原 萌來は?」

「昼前に急変して、今は感染予防で無菌室です!面会は、できませんので
あちらに御家族がまだいるかもしれませんよ?」




急変って…




慌てて看護師の指した部屋にいくと

栗原夫妻が、憔悴しきってて

「栗原…さん?  めぐは…?」


「うわぁぁ」


大泣きされた

「すみませんねぇ
妻は、これでも医者なんですがねぇ
ショック受けてて…」






少し 落ち着くのを待った



「昨日、かなり吐いたから、胃がまいったんだろうね
吐血して意識不明なんだ
呼吸も一時停止したみたいなんだけど
今は、自呼吸が回復している」


栗原さんの目は泣いたせいで真っ赤になっていた

「すみません」


陽「やめてください!!
大丈夫!めぐは、大丈夫です!!」


俺達も親父の言葉に頷く


めぐの主治医の原田先生が来た

「栗原!!意識戻ったぞ!!」

俺達は、一斉に椅子から立った

「原田!!ありがとう!!」

「ば~か!めぐちゃんが頑張ったんだよ」

「会えるか?」

「ああ!2人くらいなら」



栗原夫妻から、泣いたとばれたら
気を遣われるからと

親父と俺が選ばれた

朝のように、いつも通り接してやらなくちゃな