翌日の点滴は、最悪だった

昨日は、平気だったのに吐き気が凄い

息をする暇がないくらいだった

点滴が終わる頃には、寝てても眩暈がした

眩暈って立っているときだけだと思ってた

「おかぁさぁ~ん」

苦しくて、苦しくて、何度も呼んだ

その度に、大丈夫!って背中を擦ってくれた


何も食べられなくて、水を飲んでも吐いた


夕方には、もうお母さんを呼ぶ気力もなかった

「お見舞い来てくれたけど、どうする?」

こんな姿見せたら、心配させちゃうよね

全身で一生懸命に呼吸する

返事も出来ないまま

私は意識を失った




翌朝





私は、酸素マスクをつけていた

昨日より、気分が良いけど

今日も点滴があるのかなって考えたら

何だか、怖い




ガラッ





てっちゃん!!


「おはよう!昨日、会えなかったから
学校前によっちゃいました!!」


てっちゃんが私の頭を撫でる



「めぐ、ちょっとコレとるな!」


マスクをずらして、私にキスをした


「今日も1日、一緒に頑張ろうな!」


優しい目で、私を見てから

「いってきます!!」


てっちゃんは、部屋を出た


私… 声が出ない


体が動かない





必死に声を出そうとする




「ァ…」



少し出た



指も動く








よかったぁ










「あら!めぐちゃんおはよう!」

お母さんが私の涙を拭いてくれた

「なに朝から泣いてるの?」

「ァ…テ…チャ…キ…」

私は、途中でやめた

これ以上喋ると酸欠になる


「もしかしたら、哲くん来てくれたの?」

どうして、わかったんだろう

コクッ


「そう!!よかったわね!!
哲くん、次男だから、婿養子になってくれるかなぁ?めぐを連れてかれたら、寂しいのよね!」


そんなこと考えてたんだ… ふふっ






やっぱり、点滴の最中は、吐き気に襲われる


元々胃が悪い私には、耐えられなかったのかもしれない


お母さんが、先生のところに行ってすぐ

ゲホッ




布団が真っ赤に染まる

なぜか、バラみたいとか思った




ケホッ




ケホッ ゲホッ


咳き込む度に胃が痛み

血を吐く







息が出来ない…






ナースコールどこ…







苦しい…