「あの!御飯の前に、いいかな?」


陽「ん?いいよ?」


私は、後ろ向いて、カラコンをとった
ウィッグを外して、振り返った

珠里ちゃんと安東くんが

目をまん丸に開いて、口もパッカーン


珠「凄い!!感激なんだけど!?」

安「えっと?リツカなの?」


「そうなの!キモイでしょ?
これが本当の姿なの…」

珠「可愛い!めぐちゃん!!可愛い!」


「お世辞でも、嬉しいよ!」


安「でたよ!!」


篤「安東くん、これ本気なやつなんだ!
めぐは、何でか容姿にコンプレックス持っててね、隠すんだよねぇ」

「何でかじゃないよお!あっちゃん!!
ハーフならまだしもだよ!!」


安「ハーフって、言っときゃいいじゃん」

「え?あっ…  そんなこと
思いつかなかった…  本当だね…えへ」

今まで、何で気づかなかったんだぁ!!!


陽「さぁ!食べよう!
めぐちゃんの料理!!久しぶりだなぁ!」



陽さんの掛け声で、皆が一斉に私の料理を広げる



目いっぱい騒いで、楽しくて


またこようねって話して

私は、笑うしかできなくて


こんな時でも、これが最後の山かな?

なんて、考えてしまう



「ちょっと、散歩する」



私は、皆と離れた場所へ歩いた

さみしいから、ちゃんと皆が見えるとこまでしか行かない


草原に寝転がる








青い空






心地よい風





草や土の匂い






死ぬまで、絶対忘れない





「めぐは、いつもひとりで泣いてるの?」

「幸せだなって思ったの
悲しいこと以外でも、涙って出るんだね」

えへへっと笑って見せる

いつの間にか、私の頭のところに座っていた、あっちゃんが私の枯れススキみたいな
頭を撫でる

「めぐは、今、幸せ?」

「うん!!世界一だと思う!!」

「大袈裟だなぁ」

起き上がって、あっちゃんを見る

「あっちゃんは?」

「幸せだよ!まだ、誰にも言って無かったんだけど… めぐに1番に言うよ」

「なに?なに?」

「結婚したい人がいるんだ!
来週、プロポーズしようと思う!」

「あっちゃん!!素敵!!
凄い!!どうしょう!!嬉しい!!
あっちゃん!!ふぇっん」

「ええ!!めぐ!!何で泣くの!?」


こんなに素敵な事を、1番に教えてくれるなんて!!
あっちゃん!!大好き!!





遠くにいた皆が、いつの間にか近くに来てて

「篤!!てめぇ!!
何、めぐ泣かしてんだよ!!」


てっちゃんの怒鳴り声に驚いて
涙は、ひっこんだ


どうやら、私は気配に鈍感なようです


「違う!!誤解だ!!哲!!
めぐ!!助けて!!」


私の後ろに隠れた!!

てっちゃんがジリジリと私に向かってくる

「てっちゃん!!感激の涙なの!!
あっちゃんは、悪くない!!」

両手を広げ、あっちゃんを守る


プイッ


てっちゃん… 


怒るとするよね?そのプイッ

それ、好きかも



「ふふっ てっちゃんたら!!
あっちゃんが、私を虐めたりするはずないのに!!」



なんだか、おかしくて笑っちゃった