【遠藤 哲】

風邪ということにして貰い

学校を休んだ

兄弟の中で、俺が1番めぐのそばにいた

こんなに悩んでいたなんて、気づかなくて

言えない状況を作って、追い詰めて

罪悪感でいっぱいだった


眠っためぐの左の下唇は、昨日俺が叩いたせいで切れていた


再会した時から、俺は…

めぐを女性として、見ている


幼なじみのままでいなくちゃ

爽やか教師を演じなければ、めぐを好きだと言ってしまいそうだ

抱きしめて、俺だけのめぐにしてしまう


めぐに嫌われたくない


でも…


今だけは、専属でいいよな?



めぐの唇に俺の唇を重ねた





ごめんな





こんなのが担任で…






めぐの頭を撫でた



こんな、カツラ早くやめさせたい


顔色が悪くて、相当キツかったとわかる
それなのに、登校しようとしてくれて

ありがとう











夕方、親父と篤、剛が来た


嬉しそうに笑う、めぐだったけど
顔色の悪さに3人も驚いていた


「めぐ、アメリカ行ってこいよ
いい奴なんだろ?その人、信用出来るんだろ?」

「てっちゃん…」

「ムリさせてまで、引き留めたくねぇなって…  ごめんな
あああ…んと!! 手紙とか電話とかしてくれて、たまには帰って来てくれたら
許す!!」

涙がとまらなかった


「ずずっ…  めぐにそんな変装させて
ごめんな
向こうだったら、めぐは楽しく過ごせるんだろ?
だから、アメリカ行ってこいよ」


皆、俺が喋り終わるまで何も言わなかった




「てっちゃんのクラス、楽しいよ
来週から、登校する
マスクと眼鏡と前髪だけどうにかするね
ダサいもんね!えへへっ」



悪戯っ子みたいにめぐは、笑った



哲「違う!ちゃんとめぐがめぐで居られないなら意味が無い!」

陽「哲の言うとおりだ」

篤「めぐ、無理やり笑うのやめなよ
次は僕が叩くよ!」

剛「めぐと離れるの嫌だ
俺もアメリカ行く!!」



「ぷっ、ごうちゃんつき?困るなぁ
でも…決めたの!!私は皆と居たいの
ごめんなさい」


陽「だったら、ちゃんと甘えなさい!
もっと、ワガママになりなさい!」


「うん!夏休みに皆で山に行きたい!!」

篤「あっ!それ、言ってたね!」

剛「めぐ、弁当頼む!!」


「任せて!!」






これでよかったのか?




めぐ?





時々、悲しい目をしてるの… なんで?