目を開けると


少し明るくなった空が見えた

カーテンも閉めずに寝たのかな


あぁ…そうだ


私、頭痛で…



生きてる…   よかった…



重い



こんなに動くの辛かったかな


お風呂場に来るのに、はぁはぁと息切れ


湯船は時間ないな、シャワー浴びて、学校に行く支度をする


鏡の中の私は、病人だった


顔隠すし、いいか


ウィッグにカラコン、マスク


いつもより準備に時間がかかった

疲れた

休みたいなぁ

電車乗れるかなぁ



と思ったとき


てっちゃんからの着信

「もしもし!てっちゃん、おはよう!」

『おはよう』

「どうしたの?」

『迎えに来た』

「テレパシー?」

『は?』

「てっちゃん、ちょっと部屋に来て?」

『わかった…』











「どうぞ」

「どうした?」

「ご機嫌いかが?」

「いいよ」

「そう?
ごめんね、てっちゃんに嫌な役させて
あのね…私、ちょっと体調悪くて
もしかしたら、早退していい?」

てっちゃんが、私の前髪を上げておでこを触る

「熱は、ないな」

「うん」

「しんどくなったら言えよ?」

「うん、しんどい!!」

「めぐ?」

睨まないで!!


「昨日、1日食べてないからかな」

「はぁ?病院よってくぞ!!」




無理やり、病院に連れて行かれた


「栄養失調と胃潰瘍ですね」



あっさりと診断された




強い薬を飲んでることは、内緒
薬は、隠してるから大丈夫


1泊、病院で過ごすことになった


ベッドで点滴受けてると、横でてっちゃんが、頭を撫でてくれる


「てっちゃん…眠るまで、それして」

「うん、いいよ」

「学校、ごめんね」

「たまには、めぐの専属になるよ」




「てっちゃん…ありがとう」