ごうちゃんと石井さんが
付き合うようになった

仕事の時、ごうちゃんから聞くノロケ話に
いちいちドキドキしてしまう


石井さんのおかげで、バカ犬に見えてた
ごうちゃんは、普通の人に見え始めた













心弾むような日々が、崩れた
















その原因は、嫉妬


クラスマッチの時、私の隣にいた子が
石井さんの所にきた


「ごうくんの彼女?何であんたなんかが?
ふざけないでよ!!」


パチーーーーン      カラーン

手を上げたのを見て
咄嗟に、石井さんの間に入った

叩かれたのは、私

飛んでいった眼鏡は、割れていた


「キモっ!!なんなの?」

「あんたなんかじゃない!!
石井さんだから!好きになったの!!
ふざけてない!!ごうちゃんも石井さんも
真面目なんだから!!」


めちゃくちゃ大声上げた

ここが教室で

自分が地味で

キモくてダサイこと

完全、忘れてた



我に返ったのは、胸ぐらを掴まれて窓辺に追いやられて、もう一つビンタをもらってから


私、窓辺が好きだけど、高いとこ苦手なの


教室中が、騒ぎ立てているのに

誰の声も耳に入らなくて



触られてることが嫌で


やだぁ さわらないでぇ


声にならなくて


気がつけば、窓枠に登って座っていて


手を離せば落ちてしまう


クラスメイト達が、助けようと出してくれる手も、怖くって

「さわらないで!!」

叫んでた



もうやだ



こんなの



こわいよぉ



「おいで」


はっきりと聞こえた声に、俯いた顔を上げると、てっちゃんがいた

あっちゃんみたいに

抱っこするからって、目で訴えてて

恐る恐る片手を伸ばした


「高いとこ苦手じゃなかった?」

「うん……苦手ぇ」


ばかみたいにふにゃふにゃの声しか出ない


「もう、登るなよ?」

「2度と登らない」


ギュッ


てっちゃんに、やっと届いた手

抱っこされてから

イスにおろされた




「遠藤です
三浦先生、すみませんが
うちの森永を迎えに来て下さい!」


あっちゃんに私のことを電話で頼んだ


「ごめんなさい!!」

ちょっと、存在を忘れてた隣の子が頭を下げた

「すみません……あの、取り乱して……
高いとこ苦手で…」

何について謝っているんだと、自分にツッコミをいれたかった


「真山さん、教室に戻りなさい!!」


隣の先生から呼ばれて戻っていった

真山さんっていうんだ









あぁ…  やらかした
私の世界が崩れていく

そう思った瞬間


私は、気を失った